バイナリ―オプションに限らず、投資で相場の分析をするにあたり、よく使われる方法の一つがライントレードです。
ラインと呼ばれるツールをうまく使いこなせるようになれば、相場の理解が深まり、バイナリ―オプションの攻略に一歩近づくことができます。
ラインと言っても種類があり、その中でも今回はトレンドラインに注目してみたいと思います。
トレンドラインとは何なのか、どのように使えば相場の分析ができるのか、などを詳しく見ていきましょう。
1.トレンドラインって何?
まず、トレンドラインとはどういうものかを把握しましょう。
トレンドラインとは、トレンドが発生した時にチャート上に引くラインのことです。
相場状況がトレンド相場と言われる状態になった時に主に使われるツールであり、トレンドラインからはさまざまな相場状況を掴むことができます。
相場は常に値動きしており、細かく上下しながら流れています。そのため、今現在は上昇トレンドが起こっているのか、下降トレンドが起こっているのか、それともトレンドが発生していない状態なのか一目では判断がつかない場合があります。
このような時に、トレンドラインを引きトレンドの流れを視覚化することで、もしラインが右肩上がりであれば上昇トレンド、ラインが右肩下がりであれば下降トレンドが発生しているということが分かります。トレンドの方向性を掴めれば、この先どのような値動きになるかを見定めることができるようになるのです。
2.トレンドラインはどう引くのか?
トレンドラインは、投資の基礎とも言えるローソク足のチャート上に引いていきます。
引き方としては、ローソク足の安値同士のポイント、もしくは高値同士のポイントを真っ直ぐな線で繋いでいきます。この安値同士を繋いで引けるラインを上昇トレンドライン、高値同士を繋いで引けるラインを下降トレンドラインと言います。
引く時のコツとしては、ローソク足の実体から引く癖をつけましょう。なぜなら、ローソク足のヒゲ部分から引いてしまうと、イレギュラーな価格まで捉えてしまい、分析材料としては適切ではなくなってしまうからです。
経済指標の発表や大きなニュースが起こると、相場が大いに荒れてしまうため、ヒゲの長いローソク足が出現したりします。しかしこれは、一時的な価格変動によるもので、本来あるべき価格ではありません。そのため、このタイミングをトレンドラインに含めてしまうと、判断を間違えてしまう可能性があるのです。
もちろん、ヒゲを全く見ないで良いというわけではありません。まずは実体からラインを引き、状況把握してからヒゲに引くという方法を取り、総合的に判断する必要があります。
また、トレンドラインは、チャート上に1本しか引かないというものではありません。むしろ何本も引いておいて、全体を見てから必要なラインを取捨選択していくといったような方法を取るのがベターです。最初から1本と決めてしまうと、その1本の精度が高いものでないと、せっかく引いたとしても実際の相場状況に見合わず、有効性がなくなってしまうからです。取捨選択する際には、短めのラインよりも長めのラインの方が機能性として高いため、なるべく長めのラインを残すようにしましょう。
3.トレンドラインの活用方法
バイナリーオプションでは、相場の流れを把握することがとても重要になってきます。
例えば、短期のチャートでは価格が上昇していたとしても、長期のチャートをトレンドラインを引いて見た時に、下降トレンドが発生していた場合には、長期のチャートの下降トレンドに従ってLowエントリーを選んだ方が勝率はアップします。
このように、勝率を向上させるためには、トレンドラインを活用した方が良いということはご理解いただけるかと思います。
では、トレンドラインを使うと、相場に関するどのような情報を得ることができるのかを以下で詳しく見ていきましょう。
(1)トレンドの向きと強さ
トレンドラインから、発生中のトレンドが流れている方向を把握できることは既にご紹介した通りですが、その他にもトレンドの強さについても判断することができます。
トレンドラインは右肩上がりのライン、もしくは右肩下がりのラインですが、その傾斜が角度が急なほど発生しているトレンドの勢いが強めであるということが分かります。反対に、傾斜が緩やかであればトレンドの勢いが弱いということが分かります。
トレンドの勢いの強弱が分かるメリットとしては、今のトレンドが続きそうなのか、それとも止まりそうなのかということが判断でき、自身の取引ロジックを基に今エントリーするべきか否かの判断がしやすくなります。そのため、根拠のある勝率の高いエントリーを実現することができるのです。
(2)チャートが反発する箇所
チャートというのは、必ず動きが反転するポイントがあります。そのため、トレンドが発生している場合でも、相場は小刻みに上下しながら動いていきます。例えば、上昇トレンドであったとしても、ずっと上昇しているわけではなく、一時的に価格が下落してすぐにあるポイントで反発が起こり、また上昇していくということの繰り返しが起きています。その反発するポイントが見極められなければ、上昇トレンドに沿ってHighエントリーをしたとしても、タイミングが悪く一時的に下落するポイントだった場合には、予測が外れてしまい負けてしまうことになるでしょう。
そうならないためにも、トレンドラインを活用することが重要です。トレンドラインは、安値同士や高値同士を繋げて引いたラインになります。つまり、相場が反発しやすい箇所に線を引いたものと捉えることができるのです。
これは、トレンドライン自体が、ライントレードにおけるレジスタンスライン(抵抗線)やサポートライン(支持線)の役割を果たしていると言えます。
レジスタンスラインやサポートラインは、主にレンジ相場において使われるチャート上に引く水平ラインのことで、多くのトレーダーが、この価格が上限だろうもしくはこの価格が下限だろうと見込んで、売買する上で意識されている価格ラインを分かりやすくするものです。
この意識されている価格ラインは、世界中のトレーダーが注目していてポジションを取ろうと構えている箇所になります。そのため、もしその価格ラインに実際の価格が触れた時には、一気に売買が行われます。例えば、価格が下落してきたとすると、もうこれ以上は下落しないとされているサポートラインにチャートが当たった瞬間に、買いポジションを取る人が多く出てくるため、価格が一気に上昇し始めて値動きの方向が反転するのです。このようにラインに到達すると、それまでのトレンドが終了して逆向きのトレンドが発生する可能性が高いとされているのです。
バイナリ―オプションの取引において、トレンドが続くか反発するかを見極めることは、勝率を下げないために重要なポイントになります。トレンドラインの反発しやすいという特性を活かし、エントリーポイントを見極めていくことが予測を外さないコツとなるのです。
(3)相場が大きく変わる転換点
トレンドラインを使えば、トレンドが大きく変わるポイントも見極めることができます。
トレンドとは、いつまでも長く継続するものではありません。大きなトレンドが起こったとしても、いつまでも価格が上昇し続けたり下降し続けるものではないのが相場です。そのため、トレンドはいつかは逆方向へ進み始める可能性があるということを、意識しながらトレンドラインを引き分析する必要があるのです。
時に、ローソク足のチャートがトレンドラインに触っても方向転換せず、そのままの方向に大きく動き出すことがあります。このような場合をブレイクしたと言いますが、このブレイクした状況が発生したことにより、それまでのトレンド相場が終了し、逆向きのトレンド相場と変化したと捉えることができます。
ブレイクした後は大きめのトレンドが起こりやすいため、そのトレンドの方向性に沿ってエントリーすれば勝率も高まるでしょう。そのためにも、トレンドラインを引き、ブレイクのタイミングをしっかり把握できるようにすることが大切です。
ローソク足がトレンドラインに触って反発する間隔が短くなり、反発回数がどんどん多くなっていると感じた時は、ブレイクが起こる前兆と言えます。なぜこういうことが起きるかというと、多くのトレーダーたちがそろそろブレイクするのではないかと考え始めたことによって反発が起きやすくなっているのです。
トレンドラインを引いた時には、先々には必ずブレイクするものだと頭に置きながら取引をすることを心掛けましょう。
4.トレンドラインを使う際の注意点
トレンドラインとして正しく機能させるには、トレンドラインとして成立するための条件を満たさなければなりません。その条件とは、直近の高値や安値が更新されなければ、トレンドラインは引けないものであるということです。
例えば、上昇トレンドラインの場合は、起点の安値から2つ目の安値の後に直近の高値を更新してから、はじめて安値同士を結んだ線をトレンドラインとして活用できるのです。反対に下降トレンドラインの場合は、起点となる高値と直近の高値を結んだとしても、直近の安値を更新してからでないとトレンドラインとしては認められません。
実際の取引においては、直近の高値や安値が更新される事前に、仮のトレンドラインを引いておくという方法もよく使われますが、高値や安値が更新されていない限りは、その仮のトレンドラインは確定されておらず、有効性が無いと認識しておく必要があります。トレンドラインは、ただ単に線で結ぶだけではないということをよく理解しておきましょう。
5.まとめ
トレンドラインを引くと、相場のさまざまな出来事が明確化するということがお分かりいただけたかと思います。トレンドラインの背景には、多くのトレーダーたちの思惑が存在します。それを同じように把握できれば、相場の動きが手に取るように分かるでしょう。
しかし、ただ闇雲にラインを引けば良いということではありません。正しく機能するラインの引き方に慣れることが、トレンドラインを利用する上で最も重要なことです。
トレンドラインを引くコツは、経験により身についてくるものだと思います。まず始めは、過去のチャートを使ってテストしてみたり、デモトレードを活用して実際のチャートに思ったように引いてみて、失敗を繰り返しながら自分で覚えていくことが大切です。
バイナリ―オプション取引で成功するために、ぜひトレンドラインの活用法を身につけましょう。