みなさんは、曜日を気にして取引したことがあるでしょうか? 相場は毎日動きますから、曜日なんて関係ないと思いますよね。
ですが、相場がどんな事に影響を受けるのか、多くの人が取引することで、どんな値動きになるのかをある程度予測しておくことで、もう少し取引がしやすくなるはずです。
今回は、バイナリーオプションで取引する曜日によって注意しておくこと、曜日ごとの取引方法をご紹介します。
曜日によって負けやすい日がある?
チャートを分析して、いろいろなテクニカル指標も見ているはずなのに、思った通りに勝てないことってありませんか? もちろん、市場がオープンする時間など取引がむずかしい時間帯はありますが、実は曜日によって取引がうまくいかないことがあります。理由としては以下の3つがあります。
- 経済指標の発表
- 土日のニュースや要人の発言
- マイナーな通貨の取引
それぞれ、どの曜日に影響することなのでしょうか?
経済指標の発表 〜特に金曜日
各国の経済指標は、その内容によって相場が荒れることがあります。どの曜日に限らず影響があるものですが、特に毎月第1金曜日は影響が大きいアメリカの雇用統計の発表があります。
アメリカの雇用統計の発表
発表される時間(日本時間)は、夏時間が午後 9:30ころ、冬時間が午後 10:30ころ。雇用統計が良いか悪いかでFRBの金融政策が変わってくるために、相場にも大きく影響します。
FRB(The Federal Reserve Boardの略)は、日本における日銀と同じ、アメリカの中央銀行制度の最高意思決定機関で、日本語で「連邦準備理事会」とも呼ばれます。
引用:SMBC日興証券
雇用統計の中でも「非農業部門雇用者数」と「失業率」は注目です。特に非農業部門雇用者数が減ってくると為替に影響が出てきます。失業率は景気の状態を表すものですが、非農業部門雇用者数ほど相場に影響を与えるものではありません。
アメリカの雇用統計の発表の他にも、相場に影響がある経済指標がありますので、後半でご紹介します。
経済指標の発表がある時間帯の取引
経済指標の発表の前後1時間は、相場に影響が出ることがあるので、取引を避けることをおすすめします。発表の内容によっては、それほど影響のないものもありますが、どんな発表で相場がどう動くのか予測ができないことが多いからです。
また、テクニカル指標を使った分析どおりに動かないこともあり、大きな損失になる恐れもあります。無茶な取引はしない方が良いです。
土日のニュースや要人発言 〜特に月曜日
土曜日・日曜日は、バイナリーオプション業者はほとんどがお休みです。また月曜日から取引がはじまるわけですが、その前の土日にどんなニュースがあるかで、月曜日からの相場の動きが変わります。
こちらに、相場が上昇(下落)する要因となる発言の一部をご紹介します。
- 物価が適正水準よりも高いという旨の発言インフレ抑制のため、近々利上げを実施する可能性があることを示唆しています
- 経済について強気な見方を示す発言景気が良いということを要人も認めたことになります
また、下記の内容の発言は為替相場の下落要因となることがあります。
- 物価が適正水準以下という旨の発言景気後退を防ぐため、近々利下げを実施する可能性があることを示唆しています
- 経済について弱気な見方を示す発言景気が悪いということを要人も認めたことになります
引用:外為どっとコム
また、月曜日にチャート上で起こる現象に「窓」があります。ローソク足とローソク足の間にぽっかりと、まるで窓が開いているかのように空白ができる現象です。
これは、金曜日の終値と月曜日の始値との差がありすぎるために起こる現象で、FX取引では土日に少額の通貨の取引があるためです。この「窓」ができた時をねらった手法があるのでご紹介します。
月曜日に起こる「窓」とは?
「窓」が開けば、その窓を閉めようとする値動きがあります。これを「窓埋め」といい、金曜日の終値へ戻ろうとする動きのことです。その時のローソク足は以下のような動きになります。
- 金曜日の終値 > 月曜日の始まり値(窓の動きは下降) … 窓を閉めよう(上昇)しようとする動きがある
- 金曜日の終値 < 月曜日の始まり値(窓の動きは上昇) … 窓を閉めよう(下降)しようとする動きがある
ではなぜ、開いた窓を閉めようとする値動き(窓埋め)になるのでしょうか?
取引の仕方の一つで、土曜からポジションを決済しないで、取引がはじまる時に自動で決済されるようにしておく方法があります。
新規で買い注文もしくは売り注文をおこない、決済する前の状態で保有していることを、ポジション(建玉)と言います。
引用:SBI FXトレード
この持ち越した分の利確や損切りが月曜日に発生することで、「窓埋め」が起きるのです。
月曜日にチャンス!「窓埋めトレード」
この「窓」は必ず月曜日に起きるとは限リません。また、窓が小さすぎる(金曜日の終値と月曜日の始値の差が小さい)と、「窓埋め」が発生しづらいです。
- 「窓」が発生しているか
- 「窓」が0.1円以下の小さい窓
この場合は「窓埋め」は起こらない可能性が高いです。また、土日に大きな経済ニュースがあった場合にも、起きない傾向にありますからチェックしましょう。
「窓」が発生すると、その窓が埋まるまで少し時間がかかります。日によりますが、1〜4時間かかることもありますから、気長に待ってください。窓を埋める動きが確認できたら、その方向へエントリーします。
マイナーな通貨の取引 〜土曜日・日曜日
バイナリーオプション業者は、基本的に土日はお休みです。ですが、バーレーンやアラブ諸国などでは金曜日が休日となり、土日は取引が行われているため、少額でも通貨の取引ができる業者があります。
マイナーな通貨(中東レート)は、ほとんど値動きがなかったり、反対に少額の取引でも大きく動いてしまったりなど、取引がむずかしいのでおすすめしません。
値動きがおとなしい ~火曜日・水曜日・木曜日
値動きが予測しやすい曜日が、火曜日・水曜日・木曜日になります。この曜日は突然の値動きに影響されることがなく、おとなしい動きになるのが特徴です。
値動きが小さいと取引がむずかしそうですが、テクニカル指標がききやすいので予測が当たる確率が高くなります。ただし、気をつけなければならない時間帯もあります。
- ロンドン市場のオープン時間(夏は午後 4時 冬は午後 5時)
- ニューヨーク市場のオープン時間(夏は午後 9時 冬は午後 10時)
これらの時間帯は取引量が多いために、値動きが大きくなる傾向にあります。逆に、東京市場がオープンしている時間帯は、値動きが穏やかになりますから、狙い目ですよ。
レンジ相場での取引方法
値動きがおとなしいレンジ相場では、逆張り(相場が上向きの時に売り、下向きであれば買う方法)が基本ですが、あまりに値動きが無い時には無理にエントリーしない方が良いでしょう。
同じように値動きがおとなしい場合でも、同じような安値(または高値)で何度もローソク足が反発するようなレンジ相場であれば、そこが抵抗線となって逆張りでエントリーしていけます。
相場に影響のある経済指標の発表
どんな曜日に取引する時でも、相場に影響のある経済指標の発表がある日・時間帯には、テクニカル指標がききにくい値動きになることがありますから、注意が必要です。
アメリカの雇用統計 〜毎月第1金曜日
アメリカの雇用情勢を表したもので、これにより景気の良し悪しがわかります。特に非農業部門雇用者数の減少中には注意が必要です。
- 日本時間午後 9時半ころ … 夏時間
- 日本時間午後 10時半ころ … 冬時間
政策金利 〜年8回(約6週間ごと)
中央銀行が金融機関に融資するときに適用される金利のことで、数値よりもその後に行われる会見の内容の方が相場に影響します。
- 日本時間午前 3時15分ころ … 夏時間
- 日本時間午前 4時15分ころ … 冬時間
消費者物価指数 〜毎月15日前後
各国のインフレ動向を表す物価関連の指標のことで、世界各国で発表されます。各国でインフレにならないように上限を設定しており、それを超えないように利上げが行われると政策金利に大きな影響がでます。
- 日本時間午後 9時半ころ … 夏時間
- 日本時間午後 10時半ころ … 冬時間
ISM製造業景況指数 〜毎月第1営業日
製造業約350社へ仕入れに関するアンケート調査を実施して発表される、景気転換の先行指標のこと。 ISM製造業景況指数が50%を超えれば景気が拡大するとみられ、下回ると景気後退を表します。
- 日本時間午後 11時ころ … 夏時間
- 日本時間午前 0時ころ … 冬時間
ISM非製造業景況指数 〜毎月第3営業日
非製造業約370社の購買に関する項目(事業活動・新規受注・雇用・入荷遅延)についてのアンケート調査をもとにした指数のこと。製造業景況指数と同様に50%以上で景気が拡大するとみられ、下回ると縮小するとみられます。
- 日本時間午後 11時ころ … 夏時間
- 日本時間午前 0時ころ … 冬時間
まとめ
- 取引がうまくいかない曜日の3つの理由
- 経済指標の発表 〜特に金曜日
- アメリカの雇用統計発表
- 土日のニュースや要人の発言 〜月曜日
- マイナーな通貨の取引 〜土曜日・日曜日
- 経済指標の発表 〜特に金曜日
- 月曜日にねらう「窓埋めトレード」
- 火曜日・水曜日・木曜日は値動きがおとなしい
- 市場がオープンする時間帯は注意
- 相場に影響のある経済指標
- アメリカの雇用統計 〜毎月第1金曜日
- 政策金利 〜年8回(約6週間ごと)
- 消費者物価指数 〜毎月15日前後
- ISM製造業景況指数 〜毎月第1営業日
- ISM非製造業景況指数 〜毎月第3営業日
いかがでしたか? 今回は、取引する曜日ごとに注意した方が良いことをご紹介しました。
相場に影響のある経済指標や要人の発言など、内容まで把握して相場がどう動くか予測するのは、非常にむずかしいことですよね。
テクニカル指標を使った分析がききやすく、予測どおりの取引ができる時間帯を選ぶことをおすすめします。各曜日に注意して、取引するタイミングや方法を工夫してみてはいかがでしょうか?