バイナリーオプションを攻略するための方法のひとつに、ブレイクアウトを利用してエントリーする手法があります。
ブレイクアウトは、トレンド転換を見極める重要なポイントであり、タイミングを見計らいエントリーすれば勝率アップが見込めます。
今回は、そのブレイクアウトについて見ていきたいと思います。
1.ブレイクアウトとは?
ブレイクアウトとは、チャートが上下する中で何度も反発を起こすラインを越えて、大きく上昇または下降する相場状況のことを言います。
一定の値幅をチャートがうろうろするレンジ相場から、上下どちらかに抜け出ることをレンジブレイクと言いますが、これもブレイクアウトの一種です。
ブレイクアウトを狙う手法は、投資を行う多く人に取り入れられています。
もちろんバイナリーオプションを利用する人達にとってもメジャーであり、有効な手法として好まれています。
2.なぜブレイクアウトが発生するのか?
今まで一定の動きを継続していたチャートが、なぜ突然大きく動き出すのでしょうか?
その背景を知ることによって、相場を理解することができ、バイナリーオプション取引においての優位性が増します。
為替相場には、買いたいトレーダーと売りたいトレーダーがそれぞれ存在していて、常に売買を行っています。そして彼らは、自身の予想と反対方向に相場が動き出すリスクを回避するために、ストップロスオーダー(逆指値注文)を準備しています。ストップロスを置くポイントとして有効的なのが、つい最近の高値と安値になります。そのため、高値と安値のポイントでは、通常の注文にストップロスオーダーが加わるため、値動きが大きくなりブレイクアウトが発生するというわけです。
しかし、高値や安値のポイントで必ずブレイクアウトが発生するということではありません。リスク回避のために、ブレイクアウトを使ったエントリーでは、ブレイクアウトの前ではなく後にエントリーを行うことが推奨されています。
3.ブレイクアウトで勝率を上げる方法
(1)ローソク足のパターンを理解する
ブレイクアウトを使った手法を身につけるには、まずローソク足のパターンを理解しておく必要があります。
重要なローソク足のパターンは4つあります。
- 大陽線、大陰線 ・・・周囲と比べて明らかに実体が縦に大きく伸びているローソク足
- 丸坊主 ・・・実体のみでヒゲがないローソク足
- 寄り付き坊主 ・・・始値側にヒゲがないローソク足
- 大引け坊主 ・・・終値側にヒゲがないローソク足
ヒゲが短い、またはないということは、値動きにブレがなく、トレンドに勢いがあるということを表わしています。
また、大陽線と大陰線に関しては、一時的なトレンドではなく、そのトレンドが長く続くことが期待されるため、ブレイクアウトと組み合わせることによって、エントリーの根拠を強めることができるのです。
このように、ブレイクアウトに注目する場合には、ローソク足についての知識を蓄えておきましょう。
(2)ラインを活用する
ブレイクアウトが発生した後の値動きを予測するためには、チャート上にラインを引いておく必要があります。
なぜなら、ブレイクアウトを素早く判断するためには、チャートがよく反発しているポイントを認識しておく必要があるからです。
下限で反発するポイントにラインを引いたものをサポートライン、上限で反発するポイントにラインを引いたものをレジスタンスラインと言います。この2つのラインの間で上下していたものが、ラインを抜けた時がブレイクアウトとなります。
この2種類のラインは、ブレイクアウト後に役割が変化します。上昇してラインを超えた場合はレジスタンスラインがサポートラインになり、下降してラインを超えた場合はサポートラインがレジスタンスラインになるのです。この現象はチャート上では連続して起こり得ることであり、一定の間隔で縦に水平ラインが何本も並んだりします。つまり、チャートが上下する価格帯はある程度一定で、その価格帯が時間と共に変わっていくイメージです。
この現象を利用した取引手法を、ロールリバーサル手法と呼びます。これはブレイクアウトした後に、またブレイクしたポイントまで価格が戻ってくるタイミングの反発を狙う手法となります。逆張り手法になりますので、初心者向けとはなりませんが一つの手法として覚えておくと良いでしょう。
ラインを活用しなければ、ブレイクアウトが発生していることは判断しづらくなります。視覚的にも分かりやすくするために、レジスタンスライン・サポートラインの引き方は学んでおくようにしましょう。
(3)トレンドの発生を狙う
ブレイクアウト後には、相場でトレンドが発生する可能性が高いです。
高値を超えた場合には上昇トレンド、安値を超えた場合には下降トレンドが起こります。
そもそも反発ポイントとなっていた箇所を超えるということは勢いがあるということで、またある一定の間隔で上下していた期間が長いほど、ブレイクアウト後のトレンドは大きくなる傾向があります。
この大きなトレンドに乗って順張り手法でエントリーしていくのが、ブレイクアウトを活用した基本的な手法になります。
しかし、大きなトレンドが発生しているからといって、チャートがシンプルに分かりやすく一方向に動いていくわけではありません。細かくチャートが上下しながら動いていくため、もしタイミング悪くエントリーしてしまうと負けてしまいかねません。
その解決策として、トレンドラインというものを活用します。
トレンドラインの引き方は以下の2つです。
- 上昇トレンド ・・・直近の高値をブレイクした後に、起点の安値と直近の安値を結ぶ
- 下降トレンド ・・・直近の安値をブレイクした後に、起点の高値と直近の高値を結ぶ
ここで注意すべきポイントは、ブレイクアウトしたからと慌ててトレンドラインを引かないことです。エントリーポイントを逃したくなくて急いで引くと、間違ったラインを引いてしまい全く効果がなくなってしまいます。
ブレイクアウト後のチャートの動きには2パターンあり、押し戻ししながらトレンドになっていくパターンと、ブレイクアウトしたら急激にトレンドが起こっていくパターンがあります。後者の場合は、急角度でチャートが動いていくこともあり、トレンドラインを引いているとエントリーチャンスを逃す恐れがありますので、タイミングを見計らって活用するようにしましょう。
(4)反発を狙う
ブレイクアウト後には、一度トレンドとは逆方向にチャートが動くタイミングがあります。この特徴を利用すれば、逆張り手法でエントリーすることもできます。
しかし、ラインを引いてブレイクアウトを確認するだけでは、判断材料としては不十分です。そこで利用するのが、RSIというオシレーター系インジケーターです。
RSIは、相場の状況が買われ過ぎもしくは売られ過ぎであるかを判断するための指標で、もし買われ過ぎ・売られ過ぎの場合は、トレンドが大きく反発する可能性が高いと判断できるのです。
例えば、ブレイクアウトの発生を確認し、ローソク足の形で勢いが強いことを確認し、RSIで反発する可能性大と判断したら、トレンドが転換する可能性が高いため、逆張りを狙えば勝率が高まるのです。
もしブレイクアウトを使った逆張り手法を試してみたい方は、RSIはかなり重要なツールとなりますので、しっかり学んでおくようにしましょう。
4.ブレイクアウトを活用する時の注意点
(1)ダマシ
ブレイクアウトを使った取引方法では、ダマシに気をつけなければいけません。
ダマシとは、価格がラインを抜けてブレイクアウトが発生したと思っても、その後また価格がライン内に収まってしまうことです。この現象にハマってしまうと、せっかくチャンスだと思ってエントリーしたのに負けてしまいます。
ダマシの回避策としては、必ずローソク足の大陽線と大陰線が出ているかを確認しましょう。
また、RSIなどのインジケーターをうまく利用することでエントリーの根拠を強め、落ち着いて判断するようにしましょう。
(2)経済指標の発表時
ブレイクアウトが発生する原因によくなるのが、経済指標の発表です。
経済指標が発表される前後のタイミングは、相場が大きく動きやすいため、ブレイクアウトも発生しやすくなるのです。
しかし、これをチャンスと侮ってはいけません。経済指標の発表はイレギュラーなことです。相場が予想もつかない値動きをする可能性も大いにあるため、通常の手法では通用しない場合もあります。
経済指標の発表前後は、なるべくエントリーは避けるように心掛けるのが無難です。
5.まとめ
ブレイクアウトがどういうものか、ご理解いただけましたでしょうか?
ブレイクアウトを利用したエントリー方法は、よく知られている方法ではありますが、タイミングに気をつけたり、使いこなすのはなかなか難しいかもしれません。
ですが、デモトレードを活用するなど、慣れるまで続けていけば相場の理解度も深まり、エントリーのタイミングも掴みやすくなるでしょう。バイナリーオプション取引に活かせる手法であることは確かですので、ぜひ学んでいきましょう。