バイナリーオプションには、国内と海外の業者があります。みなさんはどちらの業者を利用されているでしょうか。
国内の業者だと、1日の取引回数が少なかったり、ペイアウト率が変動したりと利用しづらいなぁと感じている人は多いと思います。どうして国内の業者は、海外と同じような取引ができないのでしょうか?
そこで今回は、国内のバイナリーオプションが規制された理由や、内容についてご紹介します。
国内のバイナリーオプションは、どうして規制されたのか
バイナリーオプション取引は、相場が取引時間までに上がるか下がるかを予測して、当たったらペイアウト率に応じた利益が得られるというものです。これは、国内・海外どちらの業者でも同じです。
二者択一のバイナリーオプションは一見ギャンブルのようにも思えますが、相場の動きを予測してきちんとした根拠を元に取引しなければ、大きな利益を得ることはできません。
ですが、上がるか下がるか予測するだけなので当てずっぽうでも当たることがあるのは確かです。
実際、海外のバイナリーオプション取引では、マーチンゲールというギャンブルでよく使われる手法が可能です。
- マーチンゲール:負けたら賭け金を2倍にしていく手法。勝ったらそれまでの損失を取り戻すことができるが、それはペイアウト率が2倍以上の場合。
マーチンゲールは、少ない取引で大きな利益を得ることができますが、負けると大きな損失になり、資金があっという間になくなってしまうこともある手法です。
海外のバイナリーオプションでは、このようにギャンブル方式の賭け方もできてしまうため、安易に取引を繰り返して大きな損失を抱えてしまうこともあります。
また、判定時間までが短い取引が可能なので、相場の動きが分析できなくてもできてしまう手軽さから、詐欺に合うケースも多いのです。
規制前は、国内のバイナリーオプションも海外と同じ仕組みでした。
ですが、この仕組みが非常にギャンブルに近いことや、バイナリーオプション詐欺に合うケースが多かったこともあり、国内のバイナリーオプションは規制されたのです。
なぜバイナリーオプション業者はギャンブルだと思われるのか?
バイナリーオプション取引はギャンブルではありません。利益を出すためには、判定時間までに「こう動くだろう」と予測を立てて取引する投資です。
では、なぜバイナリーオプションはギャンブルだと思われているのでしょうか?
海外の業者では、取引開始から判定時間までが短い取引パターンがあります。結果がすぐわかるので、分析ができなくても上がるか下がるかを選ぶだけという手軽さが、ギャンブルのようだと思われるのでしょう。
判定時間までが短いほど、相場の動きを予測することが難しくなっていきます。それに伴ってペイアウト率も高くなりますが、当たれば少ない取引回数で大きな利益を得ることも可能です。
分析をせずに勘を頼りに取引できてしまうところが、バイナリーオプションをギャンブルと勘違いしてしまう理由なのでしょう。
国内のバイナリーオプション 〜規制内容
海外のバイナリーオプション取引では、相場の動きが分析できなくてもできてしまう手軽さから、利用者をだますバイナリーオプション詐欺があり、被害も多数報告されています。
そのため、日本ではバイナリーオプション取引に以下のような規制を設けています。
- 取引の判定時間は2時間ごと
- 短時間の取引はできない
- 「総取り」はしない
- ペイアウト率を変動制にする
- 価格表示を2WAY方式にする
このような規制内容は、2012年の終わり頃に設置されたワーキンググループによって協議が重ねられ、約1年間でガイドラインが決められて規制が実施、そして今までのバイナリーオプションの仕組みが国内では禁止になりました。
それでは、詳しい規制内容を見ていきましょう。
その1 取引の判定時間は2時間ごと
取引の開始時間から判定時間までは2時間となりました。そのため、1日に取引できる回数も12回までとなります。エントリーのタイミングは2時間以内であればどこでも可能です。
その2 短時間の取引はできない
取引開始から判定時間までが2時間となったため、短時間での取引ができなくなりました。30秒・1分・5分などの短い時間の取引は、海外のバイナリーオプションでのみとなります。
その3 「総取り」はしない
取引開始時より上がったか下がったかが判定される際、あらかじめ指定された範囲に収まっていたら勝ちとなります。
では、範囲外(レンジ外)になった分はどうなっていたかというと、バイナリーオプション業者の取り分となっていました。規制後は、判定時間にレンジ外となった取引分は払い戻されるようになりました。
GMOクリック証券では、以下のように変更されました。
▼レンジ外の取扱の変更
[変更前]
STARTレートをもとにレンジ外の幅を設定し、ENDレートがレンジ外となった場合は、受取り金額が0円となり、購入金額が損失となっておりました。[変更後]
レンジ外の幅を撤廃し、STARTレートとENDレートが同価格である場合をレンジ外とします。
レンジ外となった場合には購入金額をお客様へ払い戻しいたします。
引用:GMOクリック証券
「総取り」が禁止となったことで、取引する人にとって有利になったといえます。
その4 ペイアウト率を変動制にする
規制前には固定のペイアウト率でしたが、これが変動制になりました。取引開始時のレートと判定時間のレートの差によってペイアウト率が変わります。
その5 価格表示を2WAY方式にする
規制前は買いだけの表示でしたが、規制後は「買いの値段」と「売りの値段」の両方を表示するようになりました。
これは、取引する人が「買いたい」「売りたい」と思った時に、業者がレートを操作できないようにしたためです。公平に取引できるようにということですね。
国内の業者を利用するメリット・デメリット
国内のバイナリーオプションが規制されたことによって、利用者にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット
国内のバイナリーオプション業者は金融商品取引法により、信託保全が義務付けられているため、業者が破綻しても利用者の資金が保証されます。
また、国内の業者でトラブルがあっても、日本の法律が適用されるため安心して取引ができます。
デメリット
ペイアウト率が変動制になったことで、予測が簡単な取引であればペイアウト率は低く、難しければペイアウト率は高くなります。したがって、大きく稼ぐことが難しくなりました。
また、判定時間が2時間ごとと決まっているために、勝てるタイミングと合わなくて利益になりづらい場合があります。
海外のバイナリーオプションが利用しやすいのは、なぜ?
規制がかかったことで国内のバイナリーオプションは、より安全な取引ができるようになりました。逆に、海外のバイナリーオプションは安全面では決して良いとはいえませんが、規制がない分取引はしやすいです。
短時間の取引ができる
ハイローオーストラリアの場合、30秒・1分・3分・5分・15分・30分など短時間の取引が可能です。取引開始から判定時間までが短いことで、結果がすぐにわかるメリットがあります。
また、ここだ!と思うタイミングで何度もエントリーできるのも、海外のバイナリーオプションのメリットですね。
取引回数が決まっていない
国内のバイナリーオプションのように判定時間の間隔が決まっていないことで、何度も取引をすることができ、結果多くの利益を得ることが可能です。
海外の業者を利用する時に注意したいこと
ギャンブルの手法が使えるため、負けた時に大きな損失になりやすい
短時間の取引ができるので、1回の取引が終わったら次々と取引が可能になり、マーチンゲールなどギャンブルの手法が使えてしまいます。
マーチンゲールは勝ち続けられれば少ない取引回数でも大きな利益を得ることはできますが、負け続けると損失が増えるのも早く、取り戻すことが困難になります。
バイナリーオプション詐欺に引っかかりやすい
バイナリーオプション詐欺とは「簡単に稼げる」「勝率90%以上」などといった誘い文句や、資格のないレクチャー、高額なツールの販売などが多く、利用者に海外業者の口座を開設させてお金をだましとるものです。
国内の業者のように規制がない分、このような詐欺業者にだまされてしまう人が多くいます。また、日本の法律が適用されないケースがほとんどで、だまし取られたお金が戻ってくることは、まずありません。
まとめ
- 国内のバイナリーオプションが規制された理由
- ギャンブル性が高いこと
- バイナリーオプション詐欺が増えたこと
- 国内のバイナリーオプションの規制内容
- 取引の判定時間は2時間ごと
- 短時間の取引はできない
- 「総取り」はしない
- ペイアウト率を変動制にする
- 価格表示を2WAY方式にする
- 国内のバイナリーオプションを利用するメリット・デメリット
- メリット
- 信託保全の義務
- 日本の法律が適用される
- デメリット
- 大きく稼ぐことが難しい
- 判定時間と勝てるタイミングが合わない
- メリット
- 海外のバイナリーオプションが利用しやすいのはなぜか?
- 短時間の取引ができる
- 取引回数が決まっていない
- 海外の業者を利用するときに注意したいこと
- 大きな損失になりやすい
- バイナリーオプション詐欺に引っかかりやすい
いかがでしたか? 今回は、国内のバイナリーオプションがどうして規制をすることになったのか、どんな規制がされたのかをご紹介しました。
バイナリーオプションの詐欺は海外の業者によるものが多く、その原因はさまざまですが、ギャンブルに近い取引ができることも原因の1つです。
その詐欺から守るためにも、国内のバイナリーオプションに規制がかかり、よって国内の業者は安心して取引ができるようになりました。
海外の業者でも安全に取引できるところはありますが、規制がかかっている国内の業者を利用することで安心感を得られるのも確かです。